多摩川センターのその他の取り組み

『(仮称)多摩川文献資料庫』等設置計画(実施中)

多摩川センターでは、従来より、多摩川に関する古写真、動画資料及び文献等の収集・整理を行ってきました。古写真や映像資料については、経年劣化による影響をできるだけ受けないよう、デジタル化作業にも取り組んでいます。こうした実績が周知されるようになり、近年ではさらに研究者等からも多摩川に関する古資料の寄贈を受けています。
多摩川文献資料庫設置の目的とは、多摩川の歴史や情報を後世に確実に継承していくことにあります。
現在、国土交通省京浜河川事務所、流域自治体や住民団体の協力のもと、設置に向けて調整中です。

♦ (仮称)多摩川文献資料庫のイメージ
多摩川文献資料庫イメージ
市民参加を活かした環境調査の取り組み(2000年度〜:継続中(年度毎))
(『平和島運河環境調査』(東京都大田区)の請負作業 )

東京都大田区では、平和島運河埋立工事における干潟の新設に伴い、鳥類・魚類をはじめとする環境調査を工事着手前の平成11年度から継続して行っています。現在は、公園開園後の調査として、鳥類・魚類をはじめとする生物や干潟の復元等の状況を把握することを目的として実施されています。大森ふるさとの浜辺整備事業では、公園整備の計画段階から区民と行政の協働により進められているため、本調査においても、区民参加型の観察会を開催し、区民ボランティアの導入を試みながら、今後、区民ボランティアによる環境調査へ移行できるような仕組みづくりを考慮した内容となっており、多摩川センターは、この調査業務の受託者として、市民団体ならではの観点を活かした形で業務を行っています。

『西暦2020年の多摩川を記録する運動』(完了)
『西暦2010年の多摩川を記録する運動』(完了)
『西暦2000年の多摩川を記録する運動』(完了)

多摩川は、都市近傍河川として、江戸時代から人々の憩いの川でした。近年、この川にはたくさんの人たちが訪れ、さまざまな楽しみ方をするようになりました。しかし、一方では、多くの人たちが訪れることにより、川の自然環境に大きな負荷を与えるようになりました。
こうした状況を記録し、多摩川と人々との関わり合い方の実態を知り、多摩川の環境回復や利用の在り方を考える基礎情報とするとともに、経年的な変化を知る手立てをすることを目的に、「多摩川で人は何をしているか?」をメインテーマに、西暦2000年を第1回として、リアルタイムの記録を行いました。市民や学生の皆さまから、たくさんのご参加をいただき、実施することができました。

引き続き、西暦2010年には、第2回記録運動を実施し、この『西暦2010年の多摩川を記録する運動』については、第47回東京都公園協会賞にて「優秀賞」(ボランティア活動部門)を受賞しました。

・詳細はコチラへ(西暦2010年の多摩川を記録する運動) >>


そして、さらに、それから10年の後、
"西暦2020年"に、第3回となる『西暦2020年の多摩川を記録する運動』の実施が決定しました。
本プロジェクトは、当初2020年4月からの調査開始を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止対応を要する当時の状況を勘案し、1年延期することとなり、2021年4月より、プロジェクト名称はそのままに、感染対策に配慮しながら、実施することとなりました。
今回も一般からの募集に応じて「記録員」として参加してくださった、多くの皆さまのご協力により、一連の記録調査を完了いたしました。
(この利用調査のオプションとして計画していた 『2019年10月の多摩川大洪水からの河原の植生、景観の復活写真撮影』については、2020年春より実施完了。)

・詳細はコチラへ(西暦2020年の多摩川を記録する運動) >>


これらの記録は、多摩川の利用動向を10年ごとに比較することができる貴重な資料であり、さらには、これからの多摩川のあり方や利用の検討にも資するものと考えています。行政や学識者も行わない多摩川の現状の記録を、流域住民や市民ボランティアで行うことは、多摩川市民の伝統である市民科学そのものです。

この主旨をご理解いただき、さまざまな世代、所属問わず、多くの皆さまにご参加・ご協力をいただいたことに、深く感謝申し上げます。 (主催:多摩川を記録する運動実行委員会)